単位時間当たりの砕料の粒子径変化を粉砕速度といい,それを表わす式を粉砕速度式という。いま,粒子径 と の間にある粒子の重量分率 の( は篩下積算重量分率),時間 と の間における変化は,この粒子径範囲から粉砕されてより小さい粒子径へ移動する量と,この粒子径よりも大きい各粒子径部分で粉砕されたもののうちでこの粒子径範囲に入ってくる量の総和との差であり,次のような物質収支が成り立つ。
ここで,( 破砕確率)で,
選択関数といい,粒子径 の粒子が時間 の間に
破砕される確率を表す。また, は粒径 の粒子が破砕されたときの砕製物のうち より小さい粒子の重量割合を示し,
破壊関数という。また, を分布関数という( が破砕産物の篩下積算分率で表した粒子径分布関数を, がその確率密度分布を表している)。上式が粉砕速度式の基本である。
執筆者:粉体工学用語辞典
編集:松山達(創価大学)
更新日:2021/05/21